ニートから抜け出した頃

高校を卒業してから、ほとんどニートのような生活をしていた私は、19歳になった頃とうとう父親にきれられ、ようやく働くことになりました。しかしもともと人付き合いが苦手で、接客の仕事などは絶対にムリ、従業員同士で会話をしながら仕事を進めるのもムリ、とそんなふうに考えていた私は、バイトを何にするか随分迷いました。

求人情報誌を何度もめくりながら、自分にあったバイトはないかとずっと探していましたが、なかなか見つかりません。ようやく見つけたのがポスティングのバイトでした。出来高制と書いてありましたが、実際にはどれだけ稼げるのか書いていません。しかし、当時の私はお金のことなど半分どうでもよく、とにかく人と接しないで働けるところを探していました。

ポスティングの仕事は、この私にぴったりでした。夜中、一人でマンションのポストにチラシを次々に入れていきます。私は世田谷を任されていたのですが、世田谷の住宅地の夜はすごく静かです。時々車が通るくらいです。その中を自転車をゆっくりとこぎながら、一軒一軒チラシを入れていく。その間は何も考えず、ただ決められたコースに沿ってチラシを入れていくだけです。人付き合いの苦手な私にとってこれほどぴったりな仕事はありませんでした。自分のペースでやることができますし、誰かにミスをとがめられることもありません。

今では別の仕事をしていますが、当時の世田谷のあの夜のことを思い出すたびにとても懐かしい気持ちになります。

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